blogjunhashimoto

nagoya

【Designer’s voice】/ “ 商品にまつわる裏話 – vol.1- ”

April 6, 2020 18:35:03

皆様こんばんは。再び榊原です。

橋本氏のinstagramでの投稿が

「ここで留めておくには、余りにもったいな過ぎる」

と感じた為、

誰にも頼まれていませんが、

編集し、皆様にblogでもご紹介させて頂きます。

それではごゆっくりご覧下さいませ。

※リモートワークの休憩時間にも、ピッタリの長さです。

橋本氏の裏話 600 600 1

【NO.1】
カイハラデニム 600 600 1

– Designer’s voice –

“カイハラデニム”をご存知でしょうか?

国内有数のデニム生地を生産する会社。
国内有名デニムブランドを筆頭に海外メゾンでも数多く使用されています。

そのカイハラデニムの中でも13オンスと言うとても分厚い生地を使用。
デニムのオンスが上がれば上がるほど色落ちした時のコントラストが綺麗に出るのでこのデニム、
現状より履きこなした1年後の方が確実に良い面してると思われます。

しかもストレッチデニム全盛の昨今、

敢えてこのヘビーオンスのデニムを使う理由は生地特有の表情が欲しかった。と言う事もありますが、
5年前から提案し続けている“イージータックパンツ”と呼んでいるjh特有の“楽に履けるがなんだか決まる。
神バランスのパターン“とノンストレッチのデニムが完全にマッチすると踏んでこの組み合わせにしました。

結果ノンストレッチ・ヘビーオンスと言うパンツに使うには適していない素材を見事履きこなせ、
しかも育てていけると言う素晴らしい商品に仕上がりました。

更にストリート系とも相性の良い“Dickies”とのコラボレーションモデル。

これはもう買うしか無い。と言うかこれ書いてて完全に欲しくなった。

【NO.2】
EDWIN 600 600 1

– Designer’s voice –

“EDWIN”そう聞いてどんなイメージが湧きますか?

正直僕のイメージは“ガチャガチャしてダサい”と言うイメージです。

ではなぜコラボしてるか?と言う話になりますが、それは以前色々な企画の中で当時ドメスティクブランドの常套コラボLEE/WRANGLERとのコラボをしよう。と打診。しかしその商標を持っているのはEDWIN社。

生産もEDWIN社。要は生産元が同じでタグが違うだけ。と言うのが事実。

でも何故かLEE/WRANGLERはイケてるからドメブラ✖︎ LEE/WRANGLERみたいな構造が成り立っていました。まぁ理由としては日本人にありがちな海外信仰(輸入物万歳)が根元にある、しょーもないブランド志向ですね。

僕も入り口はLEE/WRANGLERとして話をしに行ったのですが、その当時丁度EDWINの展示会をしてまして。

そこで見た素材“JERSEYS”が余りに素晴らしい素材だったので「この素材使いたい!」と言う打診をしたら先方から「ではこの素材でLEEとか作ります?」と言う提案を受けました。

でもそこで思ったのは“JERSEYS”と言う素材のストーリーはEDWINの物。それをしょーもない海外信仰に合わせる為に崩すのは嫌だ。

ストーリーは大事にしたいし“ダサい”と言うイメージのEDWINを敢えてコラボする事で、有名人に履いてもらったり、有名ショップに置くことができる方が確実に面白い。と言う事でjhXEDWINが決定。

当時展示されてたEDWINのサンプルはジャージと言うキーワードに引っ張られ過ぎてウエスト周りに色の合ってないリブ、そして紐。店頭で差別化出来るようにポケットのステッチが虹色など、なかなかな見栄え。

それを完全にシンプルにし“ジャージ”と言うストーリー部分を活かす為にリブディティールをベルト裏に配置(このディティールはどうやらユニクロが真似したっぽい)ステッチはEDWINが作ってる本格デニムシリーズ503から引用。実は最もEDWINにした理由としてポケット脇に付けてる赤いタグ。

このタグLEVIS以外にはEDWINしか使えません。そう言うディティールは大事にしたい。そして形は股上が少し深めだが腰回りから膝にかけてはタイト。

こうする事によって普通に腰骨にベルトラインを合わせるだけで雰囲気のある下品にならないケツ履き(要はお洒落なイギリス人がやってる感じ)を容易に再現でき、腰履きに慣れてないおじさま達にはキッチリウエストまで上げれるマルチなバランス。膝から裾にかけては敢えてストレート気味にする事で足長効果を出す。

そして異常な程の横伸びを誇るストレッチ素材との組み合わせで“誰でも“どんな時でも”どんな風に履いても“サマになるデニムが完成されました。

事実知人の飛行機に乗りまくるジェットセッターから「これ以外で飛行機に乗れない」と言う言葉を貰ったり、某有名アーティストに撮影で貸し出したらその撮影では使わなかったくせに個人用として全色買取になったり。かなりの反響を頂いてます。

一つ注意しますがこのパンツ、もし興味あるなら腹を括って下さい。1本で済まなくなります。確実に色違いでもう一本欲しくなるので買うなら2本(以上)買う事になる気持ちで買って下さいw

【NO.3】
101 SERIBU 600 600 1

– Designer’s voice –

“101 SERIBU”

20年以上前の話になりますが(歳を取ったものだ…)当時働いていたセレクトショップL’eclaireurにて取り扱いのあった日本を代表する某ブランド、正直僕は余り好きでは無く基本無視していたのですが、あまりにTシャツが売れまくるので、数少ない無地(ネイビー)の物を買ってみました。

特に意識する事なく適当に着ていたのですが、3年が経ちイタリアに渡る際に荷物の準備をしている時、少なく荷物をまとめる為に選別された物の中にそのTシャツが入っていました。

その時「あれ?このTシャツって全然くたびれないよな?」と改めて思った事があります。

時は経ち、自分でブランドを始める事になりベーシックなTシャツを作ろうとした際、そのTシャツを思い出し(まだ持っていた)全ての流れを伝えた上で「このクオリティの生地はないか?」と生地屋に尋ねました。

そこで返ってきた返答は「ウン本取りのナントカ依りの何番手糸のナントカ織だからコレで大丈夫」と言う呪文のような返答の元生地を提案され、普通に信じてそれを使いましたが結果1年待たずにヨレヨレの伸び伸び。そう言う経験を3度位した時に気付いたのは技術職の人たちはスペックだけで物を言う。使った後(3年後とか)まで考えないだろうし、実際使う事も難しいのであろうと。

それ以降、スペックに翻弄されないように自分の感覚と実際の使用感で色々な素材を試してきました。しかし、希望に添う素材は見つからず14年が経ちとある生地屋に出会います。その生地屋さんに件の話をし、そう言う素材は無いか?と尋ね返って来た言葉はいつもの「作れますよ」と言う聞き飽きた言葉。

もう飽き飽きです。でも保証がないのでサンプル生地を作って貰う事に。

その見た目、生地感もバッチリ。で、更に驚いたのが「コレが100回洗った見本です。専門施設でキッチリとやってきました」と100回洗い済みのサンプルも持ってきたのです。その生地は全くヨレておらずピンピンしていました。

「採用。と言うか最高」

僕の理想の生地を作ってくれた事も嬉しかったが、そのコストをかけてまで試験し保証してくれている心構えが粋で。
その気持ちに応えると言う訳でも無いのですが、この生地の素晴らしさを伝える為100回洗った生地をそのまま下げ札に付けています。(生地の拘り内容も記載してるのでそちらを読んでください)こうする事で買う前に生地がヨレ無い事を確認して頂けます。この生地の素晴らしさを皆さんに判って頂きたい一心です。

更にjunhashimotoの定番型Tシャツとして作ってる“SERIBU”シリーズ。背中に一本リブ(フライス生地・伸びやすいのが特徴)を配する事でまずディティールアイコンとして差別化。更に人間の体は基本胸回りが大きいので着用する事で上部分がよく伸び下はそんなに伸びない。

結果着やすさと見た目の逆三角感も出てバックスタイルが綺麗に見える。と言う構造です。ネーミングはセレブと背中のリブを掛けて“SERIBU”と言うふざけた名前にしていますが、気に入っていますw 

さらにこの素材を使ったシリーズは101シリーズと呼んでいますが意味は洗濯100回までは保証しますが101回目にバラバラになっても知りませんよ。と言う冗談をそのまま名前にしています。これも気に入っていますw 

Tシャツだけでコレだけ語れるブランドあるのかな? 

しかし、こんなTシャツを作ってしまったら大問題が起きます。

100回以上耐えると言うことは普通に3年は買い替えをしなくて済む、と言う事はウチの売り上げが下がると言う事!爆
買うなとは言いませんが、買い換えなくて済む分他の物を買って下さいw

【NO.4】
カモジャージ 600 600 1

– Designer’s voice –

“カモジャージ”

ここ数年、ミーティングの度にこのキーワードで“何枚売れた”これを軸に“追加生産”なんて話をずっと聞いています。

4年くらい、もう聞きたく無いのにずっと言っています。それくらい売れています。 
なぜそんなに売れるか?売れる理由を自分なりに分析します。 

まずは生地。

尋常では無いくらい伸びます。そして戻ります(縮みます)

“伸びて戻る“その具合が凄く気持ち良い。まるで自身の皮膚、いやそれ以上に伸縮を補助してくれるような感覚を与えてくれるのです。 

イメージで言えばスポーツ時に着るラッシュガードやスパッツ、その伸縮補助能力がジャケット・パンツに付いている。そんな感覚です。 

そんな機能の素材に厚みとハリがあるのでジャケット・パンツに使えば見た目のスタイリッシュ感と高級感が出る。と言う事。 

そしてカモフラージュ柄

この生地自体の機能はかなり高い物です。しかし一つ問題。それはポリエステル独特の光沢感。昨今ポリエステル等の化学繊維は非常に発展し、従来の機能性に加え表情までもが天然素材に近づいて来ていて、僕も多用していますがやはり特有の安っぽい光沢感が残ってる物も多く存在しています。

この生地もそう。そのまま使えば“昔の体育の先生が履いてたパンツ”みたいな表情の商品になりかねない物でした。
そこで生地屋に相談し出てきた案が“エンボス加工”(熱で判を焼きつける的な)だったのですが、ポイントはその濃さ。

このエンボス加工、元々ある生地に更に加工する為その加工賃だけでもなかなかのコスト(金額)が発生します。ここでも出る“生地屋(技術家)のエゴ“せっかくやるならキチンと見えないと”と言う技術屋としては“ここまでできますよ!”と言いたいが為にゴリゴリのカモフラージュ柄を浮かしてきます。

でもそうなったら僕の大嫌いな“お兄系?“な感じになってしまう。何回も試した末、完璧なバランスのカモフラージュを完成させましたがそれはもうパッと見、判断がつかないくらいの薄いカモフラージュ。生地屋的には失敗作と言っても過言では無いくらいの出来栄え。でもそこが肝。 

元々最高のストレッチを誇る素材の光沢をどうにかしたい。と言う所からのスタート。カモフラージュの柄でジャケットを作りたい訳では無いのです。

従ってこの薄さで正解。この薄さ故にパッと見カモフラージュには見えないから少しチャラ目の仕事の方くらいなら仕事着としても着て頂けます(むしろ「え?それカモフラージュじゃない!良いねー」なんて褒められるらしい)

このオン・オフ両方で着れる2way感が出せるのが薄いカモフラージュ

“シャドーカモフラージュ”なのです。 

最近洋服作りを料理と同じ。と言っています。 

素材を如何に生かして形にするか。料理も素材そのままを切ったり焼いたりする事もありますが、素材自体に仕事を施し最終的に仕上げるやり方もあります。 

このカモジャージは後者。その仕事を施された素材に合う形を作った。と言う事です。 
ちなみにこの商品も何かを一つ買ったらそれだけでは済まないらしいのでご注意を!

【NO.5】
ラッカーニ 600 600 1

– Designer’s voice –

“ラッカーニと私”

出会いはそう。まだjunhashimotoブランドを始めて半年後。

怪しい男が低姿勢かつ強引に営業にきた所から始まりました。 

10年以上前、当時ドメスティックブランドの中で”riri信仰“なる物があり、スイスのzipブランドririさえ使っとけばオシャレ・イケてる。みたいな空気感があったように思えます。自身で立ち上げたブランドwjkもririを多用していました。 
しかし僕個人の感覚として別にririだから良い。と言うのではなく、存在感の強い素材(生地)をシンプルに使った場合どうしてもYKKのノーマルジップでは存在感が負けるし、YKKの高級ライン“EXCELLA“だとジップの歯の並びがギュウギュウし過ぎて好きになれない。選択肢としてririしかなかった。と言うのが大きなポイントでした。でも高い、納期に時間かかる、使った所で当時の流行り具合からして特別感も無い。

と言う事で使用に関しては少し消極的だった所に件の怪しい男。 「これ使ってくださいよ」
と差し出して来たサンプルは正しく僕の求めてた物!

しかし“RACCAGNI”?知らん。値段も高い!(ririと同等いや、それ以上か?)しかもこの男怪しい。 

しかしサンプルを見ていくうちに、ジップのクオリティ意外に目を引いたのはその色使い。濃過ぎず、薄過ぎないブラックニッケル色。絶妙な色合いのシャンパンゴールド。この2色があまりにもセクシーで、このジップを付けた服を作りたい、着てみたい!と言う衝動を抑えきれず、知らんジップブランドなのにその場でサンプルを依頼。 

当時は値段が高過ぎと感じていたのでレザー・コート等の高額商品にだけ付けていたのですが、時が進むにつれ威力を発揮し出したのが“シャンパンゴールド”

当時(今でもそうかも)金色のジップを付けてるブランドはほぼ無かったと思う。金のジップをつけるとどうしても“お兄系?”な見た目になるか、逆に安っぽくなるので、余り選ばれる色では無かった。

僕も金色のジップをつける事でシンプル大好きなjhファンから抗議の電話が掛かってくるのが怖く、初めはそんなに使ってなかったのですがとある企画を機に(後日出て来ます)シャンパンゴールドを前面に使ってみました。するとどうでしょう。シンプル大好きなjhファンからのクレーム電話はゼロ!むしろその企画の商品はバカ売れ。今に残る名作となったのです。 

それ以降、ラッカーニのジップはjunhashimotoのアイコンと言っても過言では無いくらい色々な商品に搭載しています。去年からはネームまで入れたオリジナルになっています。

使用方法も黒をはじめとしたダークカラーはブラックニッケル。白からベージュ・カーキにはシャンパンゴールド(カーキ✖︎シャンパンゴールドは僕の中で最強コンビ)を基本ルールにして、その都度素材その色に合う組み合わせを選出しています。

更に“テープ”と呼ばれるジップの金属部分を束ねる生地の色が洋服作りの肝で、ジップの色と洋服自体の色を繋ぐ大事な要素になります。

このテープ色を全ての商品の色合いに合わせ、敢えて薄くしたり同色に寄せたり。ブラックニッケルとシャンパンゴールドの色が一番映えるチョイスをしております。凄く地味な仕事ですが、junhashimotoの洋服を語る大事な要素の一つです。 

さて、そんなRACCAGNIなんとイタリア製なのです。 

このコロナ騒動が始まった頃(2月くらい)周りの人から「大丈夫?」と聞かれていましたが、ウチの生産はほぼ日本。素材もほぼ日本。売る相手もほぼ日本人。と言う事で特に何も心配してなかったのですが、今のイタリア!まさかイタリア製の素材を使っていてこう言う詰まり方をするとは思っていませんでした。

ちょうど春夏商品は納品済みで次の秋冬物の生産まで時間はありますが、多分色々問題は出るでしょう。納期も大事だけど、イタリアの封鎖が解かれたら復旧の為に彼らに仕事が必要です。第二の故郷イタリア、その未来の為少しでも力になれたら嬉しいです。RACCAGNIは使い続けますよ!

【NO.6】
16cm Pants 600 600 1

– Designer’s voice –

“究極のスリムパンツ、16cmPants” 

15年前、僕がwjkと言うブランドを立ち上げた当時パンツの型と言えば“ブーツカット”でした。特に僕の居たジャンルではその傾向は強く、ブーツカット以外の形はほぼ需要がありませんでした。(今では信じられない)

そんな折、junhahsimotoを立ち上げ直した時に掲げたコンセプト“カジュアルラグジュアリー”にはブーツカットは合わないし、丁度世の中的にパンツのスリム化と履き方が変わってきているのは感じていました。
しかし“ブーツカットを売りまくっていたブランドを作った人のニューブランド“と言うイメージからか細めのパンツを作っても一切見向きもされませんでした。

敢えて太めのデニムを作ったり、カーゴパンツを作ったり。“ブーツカットではないパンツ”を試行錯誤して推している所にある人が現れます。

当時雑誌LEONの副編集長をしてた前田さん。
展示会に来てくれて、色々なファッション論を語り去り際に「ハッシー、パンツの裾幅は18cmだよ」と全く今までの話と関係ない脈略でこの言葉だけを残して帰って行きました。

「18cm?」

何の説明もなく、どう受け止めて良いか判らなかったのですが、この言葉で一つ軸を作ることが出来ました。

とにかく裾幅を18cmと決め、ブーツカットしか履かない人達にむけて「これなら履けるでしょ」と言う型を探り、ウエスト(少し大きめ)ヒップ(太腿にかけてのシェイプを強めに)膝回り(膝〜裾にかけてなるべくストレートにする事でブーツカット感を出す)と言うバランスを見つけ、それをシャープな素材に落とし込み、右ポケットにZIPを付け「18cmパンツ」が完成されました。 

それが8年前。 

今や「ブーツカット」と言う言葉は死語となり、パンツのスリム化は進み(最近はまた太くなっていますね)素材もストレッチ化が進んだ為にその時代に合わせるよう裾幅を更に2cm細くした“16cmパンツ”に進化した訳です。 
しかし一つ問題。 

16cmと言うのは平均的には少し細すぎるのです。照英をはじめとする脹脛(ふくらはぎ)が常人より発達しすぎている「ふくらはぎ族」の方々には少々厳しい型になっているのです。(しかも足長効果を出す為に膝下をストレートにしているので特に)

しかし、このバランスを崩してしまうと意味がない。この攻めてるバランスが大事なのです。そこで出した案が膝裏だけバイアス(生地を斜めに使う。ノンストレッチの素材でも斜めに使う事でストレッチ性が出る。)仕様にする事で脹脛の圧迫感を軽減、更に見た目も生地の流れが変わるので一つのアイコン化が実現しています。 

今jhのパンツは16cmパンツが軸になっていますが理由は「細くて足が長くスタイルが良く見えるパンツ」として認知されているから。そしてその理由がこう言うストーリーに詰まっていると思います。

【NO.7】
ウォッシャブルカーフ 600 600 1

– Designer’s voice –

“洗えるレザー”

この言葉を聞いて衝撃を覚えた人は多いでしょう。
1990年代、レザーは加工の問題なのか水に対しては非常に弱い素材と考えられていました。(縮む・シワになる・色が移る等)そんな折“洗えるレザー”を打ち出したブランドがあります。

奇人Maurizio Altieriが展開する“CARPE DIEM”

イタリアの伝説的クレイジーブランドです。当初CARPE DIEMはブーツをメインに展開しているブランドでしたが、この“ウォッシャブルレザー”を打ち出した後“世界を変える“と言っても過言では無い程レザーの在り方を変えてしまいました。ちなみにMaurizioの凄い所はこの洗えるレザー、スペック的には洗える事になっているのですがそれを本当に製品後に洗い(水を通し)その際自然にできたシワをキープする為に専用パッケージに入れてしまう。と言う手法を取った所ですね。 

さて、そんなブランドと言うかMaurizioに惹かれてイタリアまで働きに行ってしまったのですがその話はまた別で。 
Junhashimotoを立ち上げた時、レザーと言うジャンルはやはり外せません。そして僕の中にはあの“ウォッシャブルレザー”の衝撃がずっと残っています。しかも働いていただけあってその“ウォッシャブルレザー”の仕入れ先・品番も知っています。しかし、そこで僕の取った行動は“MADE IN JAPAN” 

Maurizioの作った“ウォッシャブルレザー”をそのまま仕入れて単純に後追いになる事に全く意味を感じず(しかも結構高くなってしまう)自分の価値を出すにはやはり日本製でやるべきだ。と言う事で懇意にしてた革屋さんに相談し如何にイタリア製の“ウォッシャブルレザー”に変わるオリジナルが作れるか?の試行錯誤をし、ちょっとシボ感を出した厚めの牛皮を使い日本製洗えるレザーを完成させました。 

次に問題はその表情。

CARPEDIEMの様に洗った後にパッケージする。と言う形ではなく、特殊なオイルを塗り込み手仕上げでシワ加工する。と言う手法を選択。これにより、シワをある程度キープする事ができるので、買って貰った後でもシワの表情を楽しめる様にしました。 

かくして“日本製ウォッシャブルレザー”を作り上げ、それを使いZIPシャツ・ライダースジャケット等を作って行きました。 

取引先も増え、エストネーション・伊勢丹等の大手ショップでも取り扱われ始めた時、次の攻め手として雑誌とのタイアップで認知度を上げて行く事に。

掲載希望紙は“LEON”

当時雑誌LEONは“ちょい悪オヤジ”をキーワードにラグジュアリーなインポートブランドばかりを載せていて、ドメスティックブランドはほぼ無かったと思います。

そんな中、ダメ元でオファーを掛けた所、内容確認も踏まえた打ち合わせまでこぎ着けます。 
そしてその打ち合わせのなか、出したコンセプトが“インナーライダース”レザーをコートの中に着るスタイリングを打ち出そう!と言う事に。 

そこで件の和製ウォッシャブルレザーを使い、ライダースジャケットを進化させよう。と。インナーと言う表現を出す為に、ライダースの中にジャージライクなディティールを忍ばせ、コートの下に着ても存在感が出る様に襟を高めに設定し、脱いでもセクシーに見える様バックスタイルのシェイプを極端にしてみたり。

そうして色のチョイスになった時、打ち出したかったベージュが採用。

この時、件の“RACCAGNI”のシャンパンゴールドを前面に押し出したベージュ✖︎ゴールドのコンビネーションが見事にハマり、LEON初掲載の新ブランドなのに用意していた在庫は瞬殺。 

以降“インナーライダース”はjunhashimotoの代名詞となりレザーのイメージを固めて行きます。 

時は流れ、最近はまた違う売れ筋レザー“ストレッチレザー”なるものを作ってしまい(これまた凄く伸び、着易すぎて一度袖を通したら買わざるを得ない商品)

そちらの商品の方が売りやすいらしいのですが、あの“和製ウォッシャブルレザー”の表情はストレッチレザーでは出せません。

一長一短“インナーライダース”と言う形の中で新旧の良素材、是非一度手に取って見てください。

————————————————————————————————————————–

最後までご覧頂き、ありがとうございました。

全てのエピソードではございませんが、私自身、橋本氏から直接伺った事のあるお話もチラホラ。

しかし、詳細を知ると、よりグッと、前のめりになる気がします。

今後もある、と踏んで(期待も込めて)

あえてタイトルに【vol.1】とさせて頂きました。

どうぞお楽しみに。

– INFO –

【 やるなら、今。】
DS 0401 600 600 1

●イベント名

“ DOUBLE STAMP CAMPAIGN ”
【購入時、スタンプ2倍】

●日程

4月1日(水) ~ 4月30日(木) / 期間限定開催

●開催店舗

・junhashimotoNAGOYA店

【現在開催中のイベント】
ロンT総選挙 TOP 1

●イベント

“ タフ・ロンT 総選挙 ”

●趣旨

ただ作るのではなく、【投票をして頂いて作る】事に意義を感じて企画したプチ・イベント。

お一人様1票とさせて頂き、生産可能な24色の中から「獲得票の最も多かった色を生産」、【2020年9月24日(※junhashimotoNAGOYA店・9周年記念日】に発売させて頂きます。

●日程 (投票受付期間)

2020年3月29日(日) – 4月12日(日)

●場所

junhashimotoNAGOYA

●投票方法

A.直接、スタッフに伝えて頂く。
B.お電話で、スタッフに伝えて頂く。
C.SNSのメッセージ・コメント or PCメールにて、スタッフに伝えて頂く。

A〜C、お好きな方法にて、下記の内容をお伝え頂ければと思います。

▽ コピーペースト用 ▽
___________________________

●お名前 : 【          】
●投票カラー  / 【          】
___________________________

生産が確定したカラーに関しましては、

然るべきタイミングで、発表させて頂きます。

※気長にお待ち下さいませ。

【NAGOYA LIMITED ITEM / 販売中】

■NGY TEE – NAGOYA LIMITED -【TFW49】
T102012013 / WHITE・CHARCOAL・BLACK / 2・3・4・5 / ¥8,000+tax

T102012013 ALL image cut 1

■FABRIC MIST / junhashimoto × AROMA HOLIC【NAGOYA LIMITED】
WILD MINT / 250ml / ¥1,800+tax

AHJHN image item 1
洋服のケアに留まらず、布製品や、靴、鞄の内側など、様々な箇所に使える「ファブリックミスト」。
そんなAROMA HOLICの良さをすっかり体感し、思わず【NAGOYA店で扱いたい】と思ったのが、起承転結の「起」の部分です。

そこから、一番気に入った匂い、「WILD MINT (ワイルド ミント)」を用い、正式にjunhashimotoコラボ商品として、ラベルデザインを変更致しました。

市販のモノと中身は変わりません。

それ故に、価格も据え置きの1,800円にしております。

ただ、見た目をjunhashimoto仕様に変更しておりますので、

junhashimotoをご愛用に皆様のお手元に置いて頂きたいです。

(こちらのデザインボトルはjunhashimotoNAGOYA店のみの専売商品となります)

AROMA HOLIC BASE DATA

【キャッシュレス】
キャッシュレス 3

【メルカリの売り上げ金、NAGOYA店で使えます。】
paypay melpay logo

 

【PRIVATE BOX / プライベート ボックス】

事前にNAGOYA店にお電話(052-241-9988)もしくは、メール(info@junhashimoto-nagoya.com)に

・ご来店日時

・目的(探している商品)

をお知らせ頂ければ、そのお客様のご要望に沿うアイテムを私達で可能な限り、提案出来るよう、準備をさせて頂きます。

【お直し、承ります。※他ブランド歓迎】

【NAGOYA・スタンプカード】

【スタンプカード・解説】

●10000円で1スタンプ。
・1列溜めて頂くと 2,500円の値引き券。

・2列溜めて頂くと 5,000円の値引き券。

・3列溜めて頂くと、10,000円の値引き券。

・4列溜めて頂くと、15,000円の値引き券。

・5列溜めて頂くと、20,000円の値引き券。

(溜める量が増えると共に還元率は上がるシステムになっております。※2列目から3列目の上がり幅にご注目下さい。)

2枚以上溜めて頂いての併用も可能となっております。

※通信販売の場合でも、金額分捺印(金額は四捨五入)させて頂いた状態で商品と同封させて頂きます。

– 通信販売について –

※お電話1本で簡単に通販対応は完結しますので、お気軽にお問い合わせ下さいませ。

事前カード 1

事前カード 2

———————————————————
junhashimoto NAGOYA
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄3-25-31
TEL:052-241-9988
営業時間:11:00-20:00
定休日:なし ※2020年1月〜
http://junhashimoto-nagoya.com
info@junhashimoto-nagoya.com
【SNS】
・twitter / jh_nagoya
・instagram / junhashimotoNAGOYA
———————————————————

sakakibara

新しい記事へ

古い記事へ

お問い合わせ
STAFF募集のお知らせ
現在、junhashimoto では事業拡大に伴い販売スタッフを募集しております。
詳細はこちら»